シーサー大集合

2015.6.28 沖縄県・石垣市


初の沖縄県の全国大会、そして通常の秋から梅雨明けの6月下旬という開催となった2015年若夏石垣大会。今回の大集合のお題は、獅子(シーサー)でした。全国大会の、また新春大会の恒例の行事として、すっかり定着した感のある「大集合」ですが、今回は事前申し込みでは56人のエントリーがあり、準備に大童。参加賞用バッチのデザインと発注。名札とシールの準備。そして心ばかりの参加賞(小石川金太郎飴の「金太郎飴」と同店内閣総理大臣賞受賞の「アプリコット」を経費節減のため小分けに2粒ずつ(これが内職的手間のかかる作業でした)。それと副賞の100万円のトイレットペーパとメモ用紙、貯金箱などの手配。そして石垣までの運搬。もちろん自分の凧も用意しなければなりません。今回は、褒めシールは一枚の真剣勝負。そして参加者全員に野次馬シールを一枚貼ってもらうようにしました。

伊地知英信


さて当日、会場入口で受付開始。凧の展示をする場所が、宴会場の中から、外へ変更になり少し残念。宴会場と離れてしまったため、シールを貼る人が少ないという結果になってしまいました。結局、参加者は三七人(★写真・展示、全員)となりました。観光地での開催ということもあり、決まった時間に、決まった行事をすることの難しさを感じました。

 

前々回より、褒めシートに「揚がった凧の写真」を貼ると、ポイントがつく制度にしたのですが、参加者の中には、揚がった写真が2枚なので、飛翔写真追加ポイントを倍にしてくれという人(★写真)、局地的な豪雨にみまわれた鹿児島では試し揚げができなかったという残念な人(★写真)、獅子のテーマになった郷土芸能をアピールする人(★写真)、なんと自分が写っている人(★写真)など、なかなか面白い「褒めシート」が並びました。

凧の完成度だけでなく、こういったところも「遊び」の面白さです。


大会当日は晴れ。梅雨明けにしては、少し湿度が高く、雲の多い天気でした。そして暑い。暑いというよりも熱い。日陰を探して歩くようなコンディションでした。記念撮影をするにも時間との勝負。五分以上続けて日なたにいるのは、危険を感じる天候でした。以下に今回参加の皆さんを紹介いたします。


お手軽シーサー 

千葉県・春田親邦

例によってウォーキングカイト。どこでも、誰でも、空飛ぶシーサー。

11ポイント

シーサー連凧 

神奈川県・高桑雅巳

9枚の連凧です。絵柄は2種類あります。笑顔のシーサーです。

10ポイント

シーサー角凧 

千葉県・中川弘

簡単な骨組みの角凧ですが、もちろん尾なしで揚がります。

10ポイント


袖シーサー 

千葉県・川上利久

空の青、海の青のなかにシーサー(兄)が呼んでいる。

10ポイント。

 

シーサー切手凧 

広島県・木村俊夫

1982年(昭和57年)沖縄復帰10周年記念に発行された切手を凧にしました。この記念切手が発行された年、私はウチナンチュウ(沖縄県民・那覇市民)でした。5年間の滞在中数十回、石垣を訪問しました。その思い出の地、石垣市での全国大会を心待ちにしていました。たこ、凧上がれ、天まで上がれ。めんそーれ沖縄。

23ポイント。

シーサー凧 

東京都・茂出木雅章

大きな声では言えませんが外注しました。だから良く揚がったのかなあ。

0ポイント。


うちの嫁 

沖縄県・黒瀬剛久

昨年の凧作り教室で教わった少ない知識で、初めて自作した創作凧です。出来映えは多少雑ですが、我ながら上手にできたと思っています。沖縄では家の守り神として屋根などに飾られているシーサーですが、この凧は、いつも家庭を守ってくれている「うちの嫁」に対する感謝の気持ちを込めて作った面シーサー凧です。褒めシールをお願いします。

32ポイント。

雪シーサー 

東京都・伊地知英信

明時時代に本州から石垣に伝わった角凧が石垣風に変身した大和アヨウ。その作り方を、今回皆さんのお手元に配ったパンフレットで知りました(添石さんの解説です)。骨はプスカキ(押さえ紙)で貼り、糸目(シャク)は、アダンが東京にはなかったので椰子の繊維を綯って付けました。絵柄は江戸前の雪だるまに「耳」と「足」がニョッキリ生えて雪シーサーに変身。南国の熱風にも負けず揚がります。石垣から逆輸入した江戸の凧です。心護杯も狙うぞ。

12ポイント。

ホワイトライオン 

山口県・兼広勝年

石垣シーサー、長州白獅子、どちらも友達です。洋画ワーナーパラマウントのトレードマークのホワイトライオンは有名です。秋吉台自然動物公園サファリランドには子供たちに人気者のホワイトタイガー、ホワイトライオンがいます。白いライオンは全国でも6か所だけにしかいません。西日本では唯一、雄雌二頭が皆様をお待ちしています。今回はこのホワイトライオンを美弥凧にして、一本糸目で石垣の青い海、青い大空に一声「うなり」たいと思います。

16ポイント。


シーサー 

福岡県・竹内義博

石垣でシーサー飛ばしてハッピーになろう。

15ポイント。

極楽シーサー 

鹿児島県・原田武俊

石垣島で凧あげを「楽」しみましょう。作るのも「極」簡単で材料費も安い凧です。世の中いやなこともあるけれど下ばかり向かず明るく青空に楽しく凧上げをして子供たちに夢をプレゼントしましょう。石垣島の泡盛で田野獅子吼盛り上がりましょう。鹿児島は雨ばかりで試し上げができませんでした。蛍養殖、蜜蜂飼育、ジャンボカボチャ、サトウキビ、桜島大根栽培と寝る間を惜しんで楽しんでいます。泡盛で乾杯。

0ポイント。

名古屋古流シーサー 

愛知県・中村勝輔

全国大会に参加するので名古屋ならではのシャクシメーを考えたのですが、名古屋古流凧「虻」を「獅子」にアレンジしました。45㎝(1尺5寸)で地味ですが、うなりを響かせて、よく揚がります。ほめシールよろしくお願いします。

26ポイント。


〆子シーサー 

東京都・天野誠二

今大会出場のことで八重山地方の凧を作りました。オリジナルの花柄模様ではなくてスミマセン。横骨のカーブとかがユニークで面白いです。どこか違うんですね。出来上がりはいかがでしょう。

10ポイント。

シーサー御柱 

長野県・小口峯一

御柱ふくら雀をシーサーにしました。

11ポイント。

シーサー凧 

長野県・小口藤子

御柱ふくら雀をシーサーにしました。

12ポイント。

大集合バッチアレンジ凧 

長野県・永由辰春

①大集合のバッチをアレンジしました。②シーサーを描きました。③大会主催者に感謝しています。④「平和の誓い」を宣言します。人の心が丸くおさまるように、すべて円でまとめてみました。

22ポイント。

 


シーサー凧 

富山県・大江眞琴

沖縄を集めてみました。

25ポイント。

ななみシーサー 

島根県・手島七海

じょうずにいろがぬれました。6さい。

11ポイント。

こーきシーサー 

島根県・手島航輝

じょうずにいろがぬれました。2さい。

12ポイント。


長州美弥凧 

山口県・松下健夫

カラフルシーサーが石垣島ANAホテルの紺碧の空へ山口県から飛んできました。一本糸目ですが、ホテルの形をして穴から風が抜けてよく揚がります。

30ポイント。

 

シーサー凧 

兵庫県・武田功

平素は屋根の上で離れています。このたびは近づきました。チューウガナビラ、メンソーレ。大空を自由に動く楽しい凧。日本の凧の会会報第14号(昭和52年2月25日)東京都・新坂和男作、狂言凧を参考にしました。

23ポイント。

未シーサー 

沖縄県・三本木のり子

目玉がクルクルまわる可愛い羊のシーサーです。

13ポイント


転獅子 

沖縄県・仲間清隆

石垣島生まれのやっぴい凧のファイターです。うなりも付けてみました。連獅子ならぬ転獅子は、大空を自在に転げるように動き回るところから命名。田原にも勝負を挑みます。

21ポイント

シーサーダルマ 

神奈川県・西山芳夫

青い空、白い雲、ダルマのシーサー。

43ポイント。

シーサー凧 

愛知県・原田和子

世界で一枚シャクシメーシーサー。

25ポイント。


獅子凧(雄)

山口県・田中壽一

風にのって高いところから見下ろす石垣島の海はなんとすばらしい眺めだ! 王者の風格はあっても泳げないのが残念。

12ポイント。

獅子凧(雌) 

山口県・田中公子

狩野永徳さんの唐獅子ちゃん? 八重山の海が見たくて宮内庁三の丸を飛び出してきました。もちろん彼も一緒よ。はーと。今日のメイク少し派手すぎたかしら……。

14ポイント。

會津獅子凧 

福島県・小杉高

雪国会津からやってきました。藩政時代より昔から会津で栄えてきた三匹獅子が消えることないように伝統を守るために凧絵にして皆さんに見ていただきたく作成しました。よろしくお願いします。

35ポイント。


角凧 

山口県・松下勝子

オーリ トーリは、山口弁では「おいでませ石垣」となります。シーサーと青い海。煤竹で作りました。すっごく揚がりますよ!

24ポイント。

シーサー凧 

大阪府・小野喜象

土佐凧の形で、凧絵は江戸時代の画家狩野野山楽(かのうさんらく)の襖絵からです。

22ポイント。

南国君 

奈良県・福本行良

今年はじめの沖縄旅行で買ったちんすこうの袋のイラストを参考に作りました。ちんすこうは、色々な味のものがって、とてもおしかったです。

28ポイント。


シーサー凧 

東京都・蒲倉一郎

紅型染に似せたシーサー凧絵です。江戸文字、獅子凧。獅子の文字は芳藤の文字凧から学びました。

11ポイント。

連凧 

石川県・松井和一

袖凧での連凧は初めてなので竹の強さ、糸目取りなどを試作しました。試し揚げを繰り返し、2か月かかって完成させました。

19ポイント。

シーサー 

鹿児島県・坂上治比巳

シーサーは、内地の玄関でよく見かけると沖縄の話題がはずみます。シーサーがハイビスカスの横を駆け抜ける姿をイメージして作りました。朱と黒は石垣の空を引き立ててくれると思います。

19ポイント。


シーサーおどり凧 

愛知県・佐々津岐是

踊るように左右上下に動きます。煤竹を使用し、名古屋古流風にちょっと細工してあります。

22ポイント。

シーサーシャクシメー 

福岡県・江口洸一

シーサーをシャクシメーにしました。紅型をイメージしたのですが、細い白い線をろうけつ染めで描くのは難しかったので輪郭のみにしました。

23ポイント

六角シーサー 

東京都・大野研介

色合いを工夫しました。よく揚がります。

13ポイント。



そして結果発表。前日からのアピールが大きかった西山さんが43ポイントで見事に「有頂天」。ベタベタに貼られた褒めシートと力強いアピールが功を奏したのでしょうか(★写真2枚)。次点の「須弥山」は黒瀬さんの32ポイントとなりました。黒瀬さん凧のタイトルは「うちの嫁」だそうです。参考のために写真を掲げておきます(07-2黒瀬.JPG)。また今回の大集合に参加した凧のうち、本大会の賞に、シーサー(竹内さん)とホワイトライオン(兼広さん)が入賞。おめでとうございます。

 

東京に戻り、写真と褒めシートを整理して集計、皆さんに返却しました。この作業もまた地味に手間がかかりました。うちのお嫁さんにも感謝です(★写真)。

★写真1

★写真3 黒須さんのお嫁さん

★写真2

★写真4 伊地知家の御内儀様